金行政書士事務所

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2015年12月17日木曜日

在日同胞 韓国留学で民族アイデンティティーどう変化するか

【ソウル聯合ニュース】韓国の在外同胞社会は移民1世から2~4世の時代へと移行する中で次第に現地化し、民族アイデンティティーが薄れ母国とのつながりも途絶えがちだ。これに対し韓国政府は在外同胞の支援政策として次世代のアイデンティティー確立に重点を置いている。語学研修や学業のため母国を訪れる在外同胞は増えている。ただ、アイデンティティーの確立や同質性の回復を必ずしもできるわけではない。 韓国外交部傘下、在外同胞財団の今年の学位論文公募展で最優秀賞に選ばれたユン・ダインさん(26)は、「母国修学が在日同胞の民族アイデンティティーに及ぼす影響に関する研究」と題した論文で、韓国と日本のはざまで生きる在日同胞の姿を浮かび上がらせた。ユンさんはこの論文で、ソウル大社会学科の修士号を取得している。 論文は母国に半年以上留学中の在日同胞22人に対する深層インタビューを基にした。このうち韓民族としてのアイデンティティーが生まれたという人は2人で、残りは在日としてのアイデンティティーが生じたか、または強まったと回答した。 これら在日同胞が母国修学を決定した背景として、韓国語と韓国文化の習得を通じ韓民族アイデンティティーを確立しようとするルーツ探し、留学として欧米より学費と生活費が安い韓国を選択するケース、国際社会で韓国のステータスが高まる中、韓国語の効用価値を踏まえ国際経験を積もうとするケースを挙げた。また、差別の経験などから日本を出たいという欲求や、2000年以降のKポップと韓国ドラマ人気がきっかけになることもある。 ユンさんは「論文のために会った在日同胞の留学生は一様に、韓国人が在日同胞に無知であるか、『在日同胞=日本人』といった偏見を持っていると話した。これによる失望やショック、怒り、いらだちを見せた」とした。友好的な韓国人と出会って得た肯定的な経験よりも否定的な経験による影響のほうが大きくあらわれ、それが在日としてのアイデンティティーの強化につながったと分析した。 在日同胞は母国での経験を通じ、民族アイデンティティーが「韓国的」、あるいは「在日的」、「日本的」に強まるという。このうち在日的アイデンティティーは、「私は在日だ」「私は韓国人ではない」「否定的な在日から肯定的な在日に」「決めなくてもかまわない」の四つに分類されるとした。 韓国に来るまで自分を日本人と考えたことは一度も無かった人たちが、韓国で生活しながら差別や偏見、文化的な違いなどを経験し、自分の中に日本的な要素があることに気付いて自身が驚いたという。ユンさんは「結果的に、日本人だと自覚したというよりは、在日的な民族アイデンティティーと日本的な民族アイデンティティーを併せ持つようになったことが分かった」と述べた。 在日同胞の母国修学は、在日本大韓民国民団(民団)が韓国政府に要請して1962年に始まった。かつては民団幹部の養成が目的だったが、現在は在日同胞の民族教育の軸の一つとして語学留学や大学・大学院への正規留学、短期・長期の母国研修などが行われている。